西尾維新デビュー前の投稿時代の記録

 やっとこさ『ファウスト』Vol.7に手を付けられるようになりパラパラめっくていると、そこからは何ともいえない懐かしさとそれでもやっぱり無慈悲な時の流れの両方が感じられます。先鋭的、というか本当に価値ある部分は中国特集だけかもしれません。宇野常寛ゼロ年代の想像力』で「セカイ系」から「サヴァイヴ系」に、『ファウスト』的なラベリングを借りるなら「新青春エンタ」から「新伝綺」へ転向したと指摘されていた『ファウスト』ですが、再び原点に回帰したような印象を受けました。ということは、時代錯誤と言い換えてもよいのかもしれません。しかしそんな『ファウスト』の転向、そして西尾維新の転向に追従していけなかった自分のような読者からすれば、今回の『ファウスト』は懐かしく嬉しいものですが、同時にその時代錯誤感を嫌が応にも実感してしまいます。インタビューという名の太田克史対談なんかもかなり『ファウスト』くさいですし、特に佐藤友哉×西尾維新対談が特筆すべき懐かしさです。この対談はかなりぬるいですが、ぬるいなりに彼らの走り続けてきた数年間の重みと、そして講談社ノベルスが一時代を築いていたような気がしていたあの頃の読者たる自分(達)が透けて見えてくるようで、興味深くもありました。
 そんな中、やはりそろそろ西尾維新に対する自分の感情を決着させなければいけないような思いが湧いてきました。そういう意味で佐藤×西尾対談は興味深かったのですが、その中でふたりの創作姿勢の変化のようなものが語られており、西尾維新のデビュー前の投稿時代について言及されていました。読みながら、普通に途中から『ファウスト』を読んでいるような、新本格ミステリ寄りというよりはライトノベル寄りの読者には伝わらないのではないかな、と妙な老婆心がむくむく。ということで西尾維新のデビュー前の記録を、資料的価値を信じて記しておきたいと思います。
 まず前提事項なのですが、西尾維新のデビューした「メフィスト賞」はミステリ雑誌『小説現代増刊 メフィスト』で行われてい公募新人賞で、文学賞の体を取りながらも編集者が下読みから受賞決定までのすべてを行うという、まんが業界に多い「持ち込み」を制度化したような賞です。だから通常の文学賞なら落選間違いなしであるが強烈な個性を持った人材が登場しやすい環境であり、大森望曰く「ミステリ界のバージェス頁岩・カンブリア大爆発」な当時の混沌とした状況を生み出した張本人でした。特筆すべきは、その選考過程は誌面上の「メフィスト巻末編集者座談会」で公開されるという点があります。「巻末編集者座談会」は講談社ノベルス20周年記念にそれまでの分が1冊『密室本』にまとめられ、読者プレゼントされました。今回はその『密室本』を元に、西尾維新デビュー前の投稿時代の記録を記してみたいと思います。

まずはその投稿の軌跡を

  1. 『悪童世界(わあるど・わあるど)』第13回1999年8月
  2. 『確実になにかがずれている』第14回1999年12月
  3. 『冥府の銀河鉄道』第14回1999年12月
  4. 『本当のことはなかった。』第15回2000年4月
  5. 『全然わかんない。』第15回2000年4月
  6. 『クイン8(くいんはち)』第16回2000年8月
  7. 『デス13(ですじゅうさん)』第16回2000年8月
  8. 『デヴィル14』第17回200年12月
  9. 『虐殺ドロナス』第17回200年12月
  10. 『並んで歩く』第18回2001年4月

 驚くべきことに西尾維新、デビューまでに10作品を投稿しているのです。期間にして1年8ヶ月。それでは順に作品の紹介をしていきます。当時の座談会内容から適宜抜粋・編集して紹介します。『ファウスト』の佐藤×西尾対談とともにご覧いただけると楽しめると思います。

『悪童世界(わあるど・わあるど)』第13回1999年8月

 西尾維新、投稿1作目。立命館ミステリ研として紹介されています。内容的には実験小説かと思われます。

F 原稿の形態が凝っているんだよね。オムニバスで5話くらいの分量。内容はいわゆる小咄で、面白いっちゃ面白いんですけど……。何ていったらいいのかな。「講談社ノベルスを読んで思いついた作品です。上下2段に分かれているのが不自然だなと思ったのがきっかけです」。要は上下2段で別のストーリーが展開するんだけど、交互にその2つのストーリーが接続していくわけ。でも全体にはちょっと僕わかんないっていうのが正直なところで。

『確実になにかがずれている』第14回1999年12月

 ミステリというよりは「クライム青春ノベル」と指摘されています。おそらく現在までの西尾維新の原点的な作品のように感じられるコメントです。デビュー2作目の『クビシメロマンチスト』あたりが傾向的に近いのではないでしょうか。この時の担当Dは後に文芸図書第三出版部、通称文三講談社ノベルス担当部署)部長になる唐木厚で、投稿時代の西尾維新を支えたひとりです。またAは当時の部長にして「新本格」の仕掛け人こと故宇山日出臣。ちなみに唐木厚はその後『群像』編集長(ここは試験に出るぞ!)、文庫出版部長と出世していきました。

D 内容は次々と自分の周りの人間が自殺していくという話で、青春小説です。クライム青春ノベルという雰囲気だと僕は思ったんだけれども。高校生がどんどん自殺していくという壊れ方は年齢が近いせいか、さすがによく書けている。でもそれ以外は本当に平凡。エンターテイメントを作ろうという意識をもう少し持ってほしい。以上。
A 京都の方ですが付け加えることはなさそうね。(遠い目をして)かつての京都勢の勢いが懐かしいなあ。

 新本格に明るくない人のために「かつての京都勢」について説明。1980年代後半に本格暗黒期を打ち破り「新本格」として登場した綾辻行人京都大学推理小説研究会)をはじめとして我孫子武丸法月綸太郎(ともに京大ミス研)や有栖川有栖同志社大学)などを指しています。京大ミス研はその後も麻耶雄嵩清涼院流水などを輩出したことで有名です。

『冥府の銀河鉄道』第14回1999年12月

 上と同じ回。4ヶ月の間に2本も投稿していることから、筆の速さが伺えます。この頃から編集Dは西尾維新の弱点として、すいすい書けてしまうが飛びぬけることが出来ない点にあると感じているように思われます。ただダメ出しばかりで、育て引き上げる気があったのか、座談会だけでは疑問です。

D 思い切り自分の書きたいものを書いているという感じが全然なくて、ストーリー展開ののろさが目立ちましたね。あと作中に文学作品の引用が多かったんだけども、それもまったく効果を出していなかった。これはダメかな。文章力があるということもないし。

『本当のことはなかった。』第15回2000年4月

 おそらく「戯言シリーズ」につながるような作風ではないかと推測できます。このときから編集Dだけでなく、編集Cが担当に加わるようになりました。編集Cは『ファウスト』の対談でも書かれていた通り、後に西尾維新とファーストコンタクトを取る編集者です。当初から比較的好意的なのが分かります。

D これはすごく楽しく読んだというか、才能あるなと思ったんですよ。メモに『火蛾』の場合は「天才」と書いて、これには「才能あり」と書いた。
 前に読んだやつは大いに問題あったんだけど、これは語り手のキャラクターが面白い。また風変わりな中学生という設定で、その饒舌さも楽しめた。その語り手がちょっと年上のガールフレンドと付き合っているというだけの話で半分いくんだけど、楽しいんだよ。で、事件が起きて、その年上のガールフレンドが死んじゃうんだけど……という話。これだけ書けるんだったら、もうちょっとがんばればいけるんじゃないかなと思った。
C 僕は好き。ラストの一言がしびれたなぁ。
A そう、さわやかだったんだ、ラスト。
C いや、さわやかじゃないよ。ごく普通のやつが持つような諦念とかいらだちとか怒りがすごくよく出てる。映画でいえばサム・ライミの『ダークマン』のラストみたい。

『全然わかんない。』第15回2000年4月

 ミステリ小説における視点問題は投稿作品ではさんざん話題になっているありふれた出来事。ここで論じられている「天才」の問題はデビュー作『クビキリサイクル』を見て分かるとおり、西尾維新が引きずっているひとつのテーマといえるでしょう。

D これは大きな問題があって、一人称視点のくせに本人がいないところの場面もガンガン書いてある。視点というものが全く分かってないんで……。でもミステリーとしてのつくりはこっちのほうがいいと思うんですよ。
 でも、やっぱりちょっとレベルのばらつきがあるな。こちらは開かない金庫の中に死体があって、何重にも密室状態ができていたという不可能犯罪のつくり方のセンスはいい。だけどキャラクターのつくり方がよくないんだよな。
A 僕も読んだけど、天才、と著者がいう主人公の兄貴が頭いいように全然見えない。気になってなかなか読めなかった。特別な才能って、こんなもんじゃないと思うけどなあ。
C これも面白かったんです。僕はキャラクターが立つ、立たないには関心がないんで、この文章が好きだなと。どっちも短編のネタだろうなとは思うけど、最後の謎解きの手つきも割合いいのではないかしら。
F この人は1回目はボツにしましたけど、なんか変だよね。この変さ加減はいい。それが読者に受けいれられるかどうかっていうのはまた別問題だけど。
J アイデアは沢山持ってそうだ。
D あるんだけど、構成力がないんじゃないのかと感じる。
F でも、もしかして、作品の出来がそれだけブレるっつうことは、プロになるにしてはまだまだ未熟なものがあるのではというか……。
D 講談社ノベルスの悪影響をもろに受けている部分はあるんだよね。
I 何本か書いてもらって、いいものだけを出していくって形にすればいいんじゃないの。出すとすれば。
A うーん。この方についてはちょっとお時間をいただくことにしましょうか。

『クイン8(くいんはち)』第16回2000年8月

 キャッチコピーは「暗号、孤島、密室殺人!」。
 西尾維新と編集Cのファーストコンタクトがなされた後の回。とにかく超人的ともいえるその執筆速度が話題になっていますが、その内容については……。

A このあいだ会ってきてもらったんですよね。
C ええ。才能ですよ。なにしろ彼、会いに行った時、すでに新作を3つ書き上げてた。1週間で350枚、つまりノベルス1冊分書けるんですって。
一同 ウソッ!
J 盆と正月は休んでいただくにしても年40冊以上は出せますねえ!
K この人って常連なんですか。
D 常連。解説しよう。常連には大きく分けてもう勘弁して下さいという常連とこれからも頑張って下さいという常連がいて、この人はまあまあ、いい常連なのだ。
C お嬢様と双子のメイドだけの孤島で起こる密室殺人事件。この人は本能的にミステリーがどういうものなのかわかっているんですよ。現場にいながら事件を食い止めることができずどう感じるかと聞かれて探偵曰く、「そんなに訊きたければ言ってあげよう。気の毒に、運が悪かったんだな」。カッコいい!だけどまだ作品が強くない。1週間で書いちゃいけないんじゃないかなあ。
D それが最大のアドバイスか?
C でも書けちゃうんだから仕方ない!
A これからが大変だけど、才能であることは確かですね。あとはどうやってハードルを上げるか。
C 月曜日から木曜日までプロットを考えて、金土日で完成する。いつ僕と打合せするんだろう?
D プロで相当に早い人でも一ヶ月一冊がせいぜいでしょう。この人はそれよりも三倍以上早い。
一同 赤い彗星か?
D 考えてみたら森博嗣さんがそうなんだよ。大学の仕事がなければ今の二倍の速度で書けるって仰ってたから。
J 森さんレベル。それは大変なことですねえ。
C 訊けば、夏までが調子いいんですって。秋からは一週間に一冊は書けないって。あたりまえだって(笑)。
J ミステリー界の「TUBE」と呼びましょう。
D 森さんと違うのは、おそらく彼は論理的に考えているんじゃないと思う。天然ミステリー系。
A ともあれ、この人にはぜひメフィスト賞をとってもらいたいものですねえ。

『デス13(ですじゅうさん)』第16回2000年8月

 キャッチコピーは「なごめない、いやせない、ゆるせない」。
 上と同じ回。ミステリ小説としての高い評価がされています。確かに西尾維新の天然ミステリセンスは素晴らしく、後の作品では『きみとぼくの壊れた世界』などで遺憾なく発揮されています。

K 今回読んだ中ではいちばん気持ちよかった。獄中の絶対脱出不可能と思われる密室に閉じ込められている死刑囚。彼を脱獄させるように依頼を受けた女主人公は、いかにこの死刑囚を脱出させるか?しかし、こいつは密室にいながら、監獄内で刑務官や他の囚人を殺し続け、5人目のターゲットとして女主人公を指名する……。この死刑囚、あと1週間で死刑が執行されるというのに、脱獄したいのかどうかさっぱりわからない。女主人公は、脱獄の説得のために同じ刑務所に入っちゃう(笑)。
J わかった、これは『ゴルゴ13』!文三きってのゴルゴマニアの僕が言うんだから、間違いないっすよ!
K 死刑囚曰く、「1週間以内に俺は4人を殺す。で、5人目におまえを殺す。ただし、その間に今から俺が出す謎が解けたらおまえと一緒に逃げてやる」と(笑)。
A レクターみたいな話だなあ。
K で、○○○○○○○を使った脱出トリックが発動するというわけ。(……と、トリックを説明する)
一同 なかなかいいじゃない(笑)。
J ハッと思った。
A 伏線だったのね、○○○○○○○が。
K でも、ものすごく心に残るものがあるかというとそれはないんじゃないかなあ。映画の美少女ホラーとかの脚本にするといいなと思った。
A ますます、Cさんの双肩にかかってくるね、彼がいつデビューできるかは。

『デヴィル14』第17回2000年12月

 キャッチコピーは「山奥といえば、悪魔(デヴィル)かな」。
 これは酷評。座談会中の言及量の少なさからも明らかです。この頃から作品ごとの質のバラつきも問題視されるようになります。

D でも今回のは一言で言ってよくない。お話は、いわゆる何でも屋の女性がいて、山荘の中で女の子たちの面倒を見ているうちに殺人事件が起こるという話。なんでもそこそこは書けてしまうというのがこの人の最大のいけないところ。この話にしても、どんなオチかというと、被害者はナイフで胸をえぐられていて、当然凶器はナイフだと思う、ところが実は犯人は○○を持っていたというオチ。ああそうですかっていう感じだな。
J ちょっとちょっとって言いたくなる。
A キャッチコピーはすごくいいと思うんだけどな。ダメか。

『虐殺ドロナス』第17回2000年12月

 ついに編集Jこと太田克史が登場。今まで編集Cが、編集Dが言いたくても言えなかった(?)ことをズバズバ言っています。この辺りが西尾維新を背水の陣に攻め立て、これが良い方向に転んだから良かったものの……。

J お手紙がついていて、「二週間かけました」とある。倍の労力。僕は初めてこの人のを読んだんだけど、そういう問題じゃない。キツイ言い方になるけど、今この人は一言で言うと薄いんだよな。
D そう言うしかないな。
J うん。野球で言うと「彼はリトルリーグだとすごかったんだけどね」っていう感じに下手するとなりかねないというなんだか嫌なムード。
K 荒木大輔みたいなんだ。
J 彼は一応ちゃんとプロに行ったからいいけど。
D そう、ヤクルト入ったから。しかもソフトクリームというアイドルグループは彼のために歌まで歌っているんだよ。それに……(と、何故か突如アイドルグループの歴史について熱く語り始める)。
J (遮って)この人はリトルリーグのときは天才と謳われたんだけど、高校野球に入ったらダメで通用しなかった、みたいな、そんな感じが今のままだとするなあ。このお話自体は、『ジョジョの奇妙な冒険』を10パーセントくらいに薄めた感じ。微温的な気合の入り方が気に入らない。
D もうちょっと自分の作品に対してハードルを高くしたほうがいいと思うんだな。これじゃダメなんだということを自分自身の中で強く思って作品に向かわないと、この壁は破れないような気がする。
J この人にいちばん言いたいのは、年齢に甘えないでしっかり腰を据えて書いてほしいということですね。
D 「腰の据え方」といってもわからないと思うな。頭では腰を据えて書かないといけないとわかっているのかもしれないけれど、でも腰を据えて書くということがどういう行いなのか体でわかるのは難しい。まず自分自身のことを書くしかないんじゃないかな、愚直に。主人公は作者の分身とも読める存在の19歳の大学生、みたいな設定にして、それでどこまで書けるかどうかですね。自分の目線で物語を書くしかないんじゃないかな。
A 厳しいなあ。でもこれは期待の現われとして取ってほしいのですが。

『並んで歩く』第18回2001年4月

 デビュー作の『クビキリサイクル』に相当します。かなり反骨精神で書かれているようですが、編集者の反応を見るに読んだ人による感じ方の違いかもしれません。ちなみに『ファウスト』の対談によると「時期的にぎりぎりだったっていうのもある。その小説が駄目だったら就職かなと思ってました」とのこと。

D (白々しく)前回、J君が彼にひどいことをいったような気がする。
J あ、自分のことを棚に上げて!だけど、そこ辛辣なコメントへの答えが作品という形できちんと返ってきました。本格ものです。お話は、孤島に住む女主人が天才たちを集めてサロンをつくろうと計画する。主人公は、招待を受けたパソコンやネット関係の天才女性の友人という形でついていく。そこには絵の天才、料理の天才、占いの天才が集まっていた。ところがその夜、首切り殺人事件が起こって……という流れ。首切りの理由がすこぶる楽しかった。で、僕がコメントしたリトルリーグ云々という言葉が作中にちりばめられていたりして思わず「上等じゃん」なんて唸りました。僕はこれいいものだと思うんですよ。
C まぁ、彼ならこれぐらい書けて当たり前かなぁという感じだな。でもこれって天才?という感じもする。出てくる音楽も、これでいいのかって思う。
J うーん。僕は前回のがあまりにもよくなかったんで、正直、もうこの人はいいんじゃない、なんていう気がしていたんですけどね。でも今回のやつはいま現在のこの人なりにアクセル全開、針を振り切った作品になっていると思う。
A この人が機能すれば、僕らにとってはずいぶんと有難いね。なにしろ1週間に1作書けちゃうんだから。この人だけで講談社ノベルスが1年間保っちゃう。
D 悪くないセンスは持っていると思うよ。ただ、ちょっとつきつめが足らないというのかな、テンションが高くない。
J それが今回のは高いんです、男気度が。
D 挑戦精神でしょう。
J そう。負けん気。僕らメフィスト編集部に対する。キャラクターには賛否両論あるだろうけど。この人はこれ以上編集部内でもんでよくなるのかな、という思いも個人的にはあるし、大勢の読者の洗礼を受けてパッと才能が開花するタイプのような気もする。若者の人生を狂わしてしまうかもしれないけれど……いかがでしょうか?
A よかったよん。以前、天才が書けてないといったはずなんだけれど、今回天才ばかり5人も登場させてくるところもなかなかの根性。やっぱり天才っぽくないけど。殺人が起こっても警察に連絡はしないわ死体は勝手に埋めちゃうわ。……なんだか凄いね。だけどまぎれもなくメフィスト賞候補です。応援しましょう。


 以上です。そういえば佐藤×西尾対談を読んで一番驚いたのが、佐藤友哉の文庫化作品が加筆修正されているという事実です。今更だけど、文庫版も読むべきなのかなあ。