一足先に『ひだまりスケッチ×365』OPを見ました+ひだまりMADとの関連性

 先日の「ひだまりないと」で『ひだまりスケッチ×365』OPを一足先に見させていただきました。あまり詳しいことは24時間後までとっておく*1として、その際に大沼心もコメントしていたことなのですが、多少なりともMAD動画に触発されたところがあるみたいです。でOPを見た感じ、確かに意識しているなあと感じたところもあります。まあ、内容に触れる前に、おそらく一番有名なひだまりMAD(ちなみに合作)を紹介します。
D
 あと合作MAD第2弾も出たみたいなので、合わせて。
D
 この手のMADはいわゆる静止画MADというやつ*2で、静止画をAdobe After Efectsみたいなコンポジットソフト(って呼んで良いのかな?)上で回転・移動・拡大縮小などのエフェクトを組み合わせて、動きのある映像にしたものです。そもそもこの静止画MAD的な映像の作り方はPCゲームのオープニング映像のような限られた素材から半ば無理矢理に作るようなところで行われていて、ディジタル環境で映像制作ができるようになった恩恵を一番享受しているところだと思います*3
 この2作の『ひだまりスケッチ』MADに共通なのは、限られた映像素材を元に作っているのではないというところにあります。動画MADの難しいところは、基本的にはつなぎがメインになってしまうため、誰が作ってもそこまで代わり映えのない映像に仕上がってしまう点にあります*4。その点、この手の静止画MADは作り手のセンスがいかんなく発揮されてしまうと思われます。
 このMADの素材として使われている静止画は1期シリーズの映像中から切り出したものの他に、原作まんが及びイラストがあります。この原作に回帰している点が特徴的です。素材探しの末に原作に回帰しただけかもしれませんが。アニメ化に際しても「ひだまりないと」での制作陣の発言では、いかにして原作の雰囲気を再現するかが最重要視されたようです。それは例えば背景処理*5だったりするのですが、レイアウトや描線なども大きな要素になっています。ざっくり言えば、やはり原作そのままの絵が一番雰囲気を再現できるというわけです。
 でそこら辺の考えとMADへの逆オマージュ(?)が組み合わさった結果、今回の2期OPで採用されたのが、原作まんがの枠線付きの取り込みです*6。このMADではいたるところで枠線つきの原作コマが登場していて、特に2本目の1分15秒〜のような映画のフィルムのようにつなぎ合わせた演出が印象的です。4コマまんがですので、コマのサイズがすべて等しいのが効果的なのでしょう。他にも原作をかなり意識した映像になっています*7
 一方、このような静止画MAD的な方法ではできないのが、アニメーション特有のとにかく動きまくる映像。新シリーズのOPは大沼氏曰く「コンセプトはとにかく動かす!」の通り、動きまくっています。それでもちゃんと原作重視という軸をぶらさずに*8、あくまでも1期OPのグレードアップとしての延長線上にありますので、心配せずに期待していて良いOP映像になっていると思います。ちなみに音楽の方の『?でわっしょい』もちょっと斜め上を行っている曲ですが、なかなか良いです。音を確認してみたのですが、前作『スケッチスイッチ』を踏襲した上で似て非なるものになっています。ちなみに大沼氏曰く「最初からマッチしすぎた曲だとイメージが湧かない。最初に違和感を感じるくらいだとイメージが感化されて、音楽と映像が作品の色に染まっていく」(大意)とのことです。
[追記:2008-07-04]
 ちなみにOPカットのこのあたりのことを意識して書いた文章です。あと第1話は大変素晴らしかったですねえ。
  

*1:すみません。関東圏限定です。地方の人は来週、はたまたBS待ちで3週先でしょうか。

*2:基本的にです。動画を使っている部分もなくはないですが、ベースになっているのは静止画かなと。

*3:ちなみにディジタルに積極的なシャフトが得意とするタイプの映像でもあります。

*4:そもそも海外ではAMV(アニメミュージックビデオ)とやらが結構流行っているようですが、国内では人気あるのか分かりません。文化の違いというやつですかね。

*5:普通、背景には何らかのものがあるわけですが、4コマ漫画の場合、イメージBGみたいなものが多いです。そういうのをどのようにアニメにするか、というような問題。

*6:ちなみに1期の予告は4コマまんがになっていましたね。

*7:このあたりも色々と書きたいこともあるのですが、ネタバレになってしまうので避けておきます。ヒントとしては、白黒まんがの特徴であるスクリーントーンをどのように取り扱うか、など。あとこのアニメには原作重視というか「原作者」重視の風潮があって、何だかんだ言って原作者を中心に戯れようという雰囲気が良い方向性になっているのではないかと感じます。

*8:なんて言っても、それなりに原作ブレイカーだよね新房昭之は。だけど『ぱにぽにだっしゅ!』もそうだけど、何か原作へのリスぺくトというか愛のようなものを感じるのですが、自分だけでしょうか。